人が自然を侵食している、と昨今のメディアでは言われている。
光が闇を侵食するように、闇の居場所が段々と追いやられている。
しかし本当は、人が自然を追いやっているように感じさせられているだけで、
人が自然から侵食されているのではないだろうか?
自然を支配しているように見えて、侵食して侵しているように見えるだけで、
その実、人は自然の掌の上で小さく踊っているだけなのだ。
人の日常はこの世の摂理と強く結びつき、自然と切り離すことはできない。
そもそも不可能である。
新しいものを生み出す力はヒトには無い。
生まれたときに「当たり前に」あったものを利用して何とかして生きているだけなのだ。
手のひらにある「鳥の卵」は、人の手によって中身を作り替えられていく。
ヒトはその中身が何であるかを知っている。
卵はその硬い殻の下で形を変え、「食用」へと変化を遂げる。
あまりにも日常過ぎて、当たり前に手の中にあり過ぎて、わからない。
それほどにヒトは自然に「侵食」されている。

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